年末調整2026の変更点|いくら戻る?基礎控除104万円・扶養136万円

更新:2026年10月 ・ 読了目安 約10分

2026年(令和8年分)の年末調整は、いつもの年と少し違います。基礎控除などが引き上げられましたが、11月までの毎月の天引きは改正前のままです。その差額を12月の年末調整でまとめて精算するため、今年は12月に戻る額が例年より増える人が多くなります。国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」をもとに、変わった点と戻る額の目安、書類の注意点を整理します。

📑 この記事でわかること
  1. 2026年の年末調整の変更点まとめ
  2. 12月にいくら戻る?年収別の目安
  3. 提出する書類と書き方の注意
  4. 年末調整でできないこと(確定申告が必要なもの)
  5. そもそも年末調整とは
  6. よくある質問
  7. まとめ

2026年の年末調整の変更点まとめ

令和8年度の税制改正で、2026年分(令和8年分)の所得税から次のように変わりました。改正は2026年12月1日に施行され、2026年分の1年間の所得税に適用されます。今年2〜3月の確定申告で計算した2025年分(令和7年分)とは数字が違うので、どちらの年の話かに注意してください。

項目2025年分令和7年分2026年分令和8年分
基礎控除(合計所得132万円以下)95万円104万円
基礎控除(132万円超〜489万円以下)88万円・
68万円
104万円
基礎控除(489万円超〜655万円以下)63万円67万円
基礎控除(655万円超〜2,350万円以下)58万円62万円
給与所得控除の最低額65万円74万円
所得税がかからない年収(給与だけ・社会保険料を引く前)160万円178万円
扶養に入れる家族の年収(給与だけ)123万円以下136万円以下
配偶者特別控除の対象になる配偶者の年収123万円超〜
201万5,999円以下
136万円超〜
207万円以下
特定親族特別控除(19〜22歳の子など)の対象の年収123万円超〜
188万円以下
136万円超〜
197万円以下
勤労学生の年収(給与だけ)150万円以下163万円以下
一般の生命保険料控除の上限(23歳未満の扶養親族がいる人)4万円6万円

年収の壁がどう動いたかは年収の壁の記事で、家族を扶養に入れられるかは扶養に入れるか判定で確認できます。

12月にいくら戻る?年収別の目安

改正で下がる所得税の目安を、所得税の計算ツールと同じ計算で、2025年分の制度のままだった場合と比べました。11月までの天引きは改正前の税額表で計算されているため、この差額がおおむね12月の年末調整で戻る目安になります。

前提:40歳未満・独身・扶養なし・収入は給与だけ(賞与なし)。社会保険料は協会けんぽ(東京)の令和8年度の料率で出した概算で、2つの年で同じ額にしています。生命保険料控除などほかの控除はなし。所得税は復興特別所得税を含む年額です。

年収所得税の年額2025年分の制度 → 2026年分差額12月に戻る目安
200万円3,800円 → 0円約3,800円
300万円35,600円 → 27,500円約8,100円
400万円65,900円 → 57,700円約8,200円
500万円119,400円 → 91,100円約28,300円
600万円186,100円 → 149,300円約36,800円
700万円286,500円 → 278,400円約8,100円
800万円444,200円 → 436,000円約8,200円

差が大きいのは年収500万〜600万円前後です。合計所得が336万円超489万円以下(給与だけなら年収約475万〜665万円)の人は、基礎控除が68万円から104万円へ36万円増えるためです。合計所得132万円超336万円以下(年収約206万〜475万円)の人は16万円、合計所得489万円を超える人は4万円の増加なので、戻る額は年8,000円前後になります。

家族の扶養が新しく認められる場合は、さらに増えます。たとえば高校生(16〜18歳)の子や親の年収が123万円超136万円以下なら、2025年分は扶養控除の対象外でしたが、2026年分は対象になります。扶養控除38万円で、年収500万円の人なら所得税が年19,400円下がる計算です(扶養控除等(異動)申告書の提出が必要です)。

⚠️ 実際に戻る額は人によって違います。12月に戻る(または足りずに引かれる)額は、毎月の天引きの額(扶養の人数や賞与の有無で決まる)と、生命保険料控除・iDeCoなどの控除で変わります。所得税がもともと0円の人は戻りません。正確な額は12月の給与明細や源泉徴収票で確認してください。

住民税は、いま払っている分(2025年の収入にかかる分)は変わりません。2026年の収入にかかる住民税(2027年6月から払う分)も基礎控除は43万円のまま据え置きで、変わるのは給与所得控除の最低額(年収220万円以下の人に関係)など一部です。

自分の年収で、2026年分の所得税はいくら?

所得税の計算ツールで確認する →

提出する書類と書き方の注意

会社から配られる申告書は、主に次の4種類です(基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除の申告書は1枚の兼用様式)。2026年は改正後の数字で書く点に注意します。

書類2026年に気をつけること
扶養控除等(異動)申告書家族の年収が136万円以下(合計所得62万円以下)なら扶養の対象。改正で新たに対象になった家族は「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと書いて出す。16歳未満の子は「住民税に関する事項」欄に書く。
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書自分の合計所得の見積額に応じた改正後の基礎控除(489万円以下なら104万円)を書く。配偶者や19〜22歳の子に給与がある場合、その所得は給与所得控除の最低額74万円で計算する。
保険料控除申告書23歳未満の扶養親族がいる人は、新しい契約の一般の生命保険料を特例の計算(上限6万円)で計算する。保険会社の控除証明書を付ける。
住宅借入金等特別控除申告書住宅ローン控除の2年目以降はこの申告書で年末調整。1年目は確定申告が必要。

23歳未満の扶養親族がいる人の生命保険料控除(新しい特例)

2026年分から、23歳未満の扶養親族がいる人は、新しい契約(2012年以後の契約)の一般の生命保険料の控除額を次の表で計算します。扶養親族には16歳未満の子も含まれます。

1年間に払った新しい契約の一般の生命保険料控除額
3万円以下払った保険料の全額
3万円超〜6万円以下保険料×1/2+1万5,000円
6万円超〜12万円以下保険料×1/4+3万円
12万円超一律6万円

古い契約(2011年以前の契約)と合わせて使う場合も、一般の生命保険料控除の上限は6万円(これまでは4万円)です。介護医療保険料・個人年金保険料と合わせた生命保険料控除全体の上限12万円は変わりません。たとえば新しい契約の一般の生命保険料が年8万円なら、控除額は4万円から5万円になります。同じ世帯の夫婦の間に23歳未満の扶養親族である子がいれば、夫婦の両方がこの特例を使えます。

年末調整でできないこと(確定申告が必要なもの)

次の控除は年末調整では扱えません。受けるには、翌年2〜3月に自分で確定申告(還付申告)をします。

また、そもそも年末調整の対象にならない人や、確定申告が必要な人もいます。

2026年だけの注意:年の途中の退職や海外転勤、休職などで、2026年11月30日以前に最後の給与を受けた人は、そのとき受けた年末調整に改正後の基礎控除などが反映されていません。改正後の控除を受けるには確定申告が必要です(源泉徴収された税額が0円なら、申告しても戻る税金はありません)。出し忘れた控除も、5年以内なら還付申告で取り戻せます。

そもそも年末調整とは

払いすぎた税金が「戻る」しくみ 毎月の天引き 税額表による概算(2026年は改正前の表) 本当の年税額 保険料控除・扶養・改正分を反映 この差が戻る だから多くの人は、12月(または1月)の給与で還付されます。

毎月の給与から天引きされる所得税は、「源泉徴収税額表」で出した見込み(概算)です。税額表は1年間給与が変わらない前提で作られていて、生命保険料控除や地震保険料控除は年末調整のときに反映するしくみなので、1年分の天引きの合計と本当の年税額は一致しないのがふつうです。そこで年末に正しい年税額を計算し直し、差額を精算します。これが年末調整です。多くの人は払いすぎた分が戻り、まれに足りずに追加で引かれることもあります。

2026年はこれに加えて、改正前の税額表で天引きした分と、改正後のルールで計算した年税額の差もここで精算されます。年末調整を受けた会社員は、改正後の控除を受けるための確定申告は不要です。

よくある質問

Q. 2026年の年末調整で、お金はいつ戻ってきますか?

多くは12月(会社によっては1月)の給与で戻ります。改正で下がった所得税の差額も、同じ年末調整でまとめて精算されます。金額は給与明細や源泉徴収票で確認できます。

Q. 2026年は、戻る額がどれくらい増えますか?

独身・扶養なしの会社員なら、改正で下がる所得税の目安は年収300万円で約8,100円、年収500万円で約28,300円です(社会保険料などは概算)。11月までの天引きは改正前のままなので、この差額がおおむね12月に戻ります。実際の額は毎月の天引き額やほかの控除で変わり、所得税がもともと0円の人は戻りません。

Q. 家族の年収が123万円を超えていても、扶養に入れられますか?

2026年分は、家族の収入が給与だけなら年収136万円以下(合計所得62万円以下)で扶養控除などの対象になります。改正で新たに対象になった家族は、扶養控除等(異動)申告書の「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと書いて会社に出します。社会保険の扶養(年収130万円未満など)は別の基準です。

Q. 23歳未満の子どもがいると、生命保険料控除は増えますか?

2026年分から、23歳未満の扶養親族(16歳未満の子も含みます)がいる人は、新しい契約の一般の生命保険料の控除の上限が4万円から6万円になります。保険料が年8万円なら控除額は4万円から5万円に、年12万円を超えれば6万円です。生命保険料控除全体の上限12万円は変わりません。

Q. 医療費控除やふるさと納税も、年末調整でできますか?

できません。医療費控除と、ワンストップ特例を使わないふるさと納税は、翌年2〜3月の確定申告で受けます。住宅ローン控除は1年目だけ確定申告が必要で、2年目からは年末調整で受けられます。

まとめ

ほかの関連:医療費控除シミュレーター/ふるさと納税シミュレーター/住宅ローン控除はいくら戻る?/確定申告が必要な人・やり方/年収の壁とは?/コラム一覧へ

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