住宅ローン控除はいくら戻る?2026年入居の借入限度額と0.7%・13年

最終更新:2026年9月29日 ・ 読了目安 約10分

住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、年末のローン残高の0.7%が、その年の所得税(引ききれない分は一部が翌年の住民税)から差し引かれる制度です。令和8年度の税制改正で2030年(令和12年)12月31日入居分まで5年延長され、2026年入居からは省エネ性能の高い中古住宅も最大13年になりました。対象になる残高の上限(借入限度額)は住宅の省エネ性能で変わり、初めての年は確定申告が必要です。

📑 この記事でわかること
  1. しくみ:年末残高×0.7%が戻る
  2. 借入限度額の早見表(2026年入居)
  3. いくら戻る?上限と計算例
  4. 主な条件(床面積・所得・期限)
  5. 手続き:初年度は確定申告、2年目からは年末調整
  6. 注意:ふるさと納税との関係
  7. よくある質問
  8. まとめ
年末残高の0.7%が、毎年 税金から戻る 年末のローン残高 (借入限度額まで) ×0.7% その年の控除額 例:3,000万円→21万円 × 最大13年 (中古の一般は10年) ※戻るのはその年の所得税まで。引ききれない分は一部が翌年の住民税から(上限あり)。 残高は返済で毎年減るので、戻る額も少しずつ小さくなります。

しくみ:年末残高×0.7%が戻る

控除額は「年末のローン残高 × 0.7%」です(100円未満は切り捨て)。たとえば年末残高が3,000万円で、借入限度額が3,000万円以上の住宅なら、その年は最大21万円が所得税から差し引かれます。所得税で引ききれない分は、翌年度の住民税から差し引かれます。ただし住民税から引けるのは前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)までです(市区町村への申告は不要)。

借入限度額の早見表(2026年入居)

控除の対象になる残高の上限(借入限度額)は、住宅の省エネ性能が高いほど大きくなり、子育て世帯・若者夫婦世帯は上乗せされます。2026年(令和8年)〜2030年(令和12年)に入居する場合の金額は次のとおりです。

新築(建売・分譲マンションを含む)

住宅の性能一般の世帯子育て・若者夫婦世帯控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円5,000万円13年
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年
※1
その他の住宅
(省エネ基準を満たさない)
原則として対象外※2

※1 省エネ基準適合住宅の新築は、2026・2027年(令和8・9年)入居まで上の金額です。2028年(令和10年)以降の入居は原則対象外で、2027年末までに建築確認を受けたもの(または2028年6月30日までに建築されたもの)に限り2,000万円・10年になります。
※2 2023年末までに建築確認を受けたもの(または2024年6月30日までに建築されたもの)は2,000万円・10年です。

中古(既存住宅)

住宅の性能一般の世帯子育て・若者夫婦世帯控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅3,500万円4,500万円13年
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年
その他の住宅2,000万円2,000万円
(上乗せなし)
10年

不動産会社がリフォームして販売する「買取再販住宅」は、長期優良・低炭素とZEH水準は新築と同じ金額、省エネ基準適合とその他の住宅は中古と同じ金額です(国土交通省の概要表より)。

子育て世帯=19歳未満の扶養親族がいる人、若者夫婦世帯=本人か配偶者が40歳未満の夫婦です。どちらに当たるかは、入居した年の12月31日時点で判定します。

2025年までの記事や資料では金額が違うことがあります。2026年入居からは、中古住宅の限度額が引き上げられ(省エネ性能の高い住宅は3,000万円→3,500万円)、控除期間も10年→13年に延びました。一方、新築の省エネ基準適合住宅は一般3,000万円→2,000万円に下がっています。

すでに入居済みの人へ:2024・2025年(令和6・7年)入居の場合

控除額は入居した年のルールで計算します。2024・2025年に入居した人は、次の金額のまま続きます(2026年入居の表と混同しないでください)。

2024・2025年入居一般の世帯子育て・若者夫婦世帯控除期間
新築 長期優良・低炭素4,500万円5,000万円13年
新築 ZEH水準3,500万円4,500万円13年
新築 省エネ基準適合3,000万円4,000万円13年
中古 長期優良・低炭素・ZEH水準・省エネ基準適合3,000万円3,000万円
(上乗せなし)
10年
中古 その他の住宅2,000万円2,000万円
(上乗せなし)
10年

新築の「その他の住宅」は2024年以降の入居では原則対象外です(2023年末までに建築確認を受けたもの等は2,000万円・10年)。出典:国税庁 No.1211-1・No.1211-3。

いくら戻る?上限と計算例

1年あたりに戻る額の上限は「借入限度額 × 0.7%」です。これが13年続いた場合の合計が、制度上の上限(理論値)になります。

2026年入居・1年あたりの上限と、期間中の上限(理論値)

住宅の区分1年あたりの上限一般(子育て・若者夫婦)期間中の上限一般(子育て・若者夫婦)
新築 長期優良・低炭素31.5万円(35万円)409.5万円(455万円)
新築 ZEH水準/中古 長期優良・低炭素・ZEH水準24.5万円(31.5万円)318.5万円(409.5万円)
新築・中古 省エネ基準適合14万円(21万円)182万円(273万円)
中古 その他の住宅14万円140万円(10年)

期間中の上限は、13年間(中古のその他の住宅は10年間)ずっと年末残高が借入限度額以上あり、税金も足りている場合の数字です。実際は残高が毎年減るので、これより少なくなります。

計算例:3,000万円を35年・元利均等で借り、金利は仮に年1.0%で一定、1月に入居して返済を始めた場合(一般の世帯)です。

年年末残高(目安)ZEH水準の新築上限3,500万円省エネ基準適合の新築上限2,000万円
1年目約2,928万円204,900円140,000円
5年目約2,633万円184,300円140,000円
10年目約2,247万円157,200円140,000円
13年目約2,006万円140,400円140,000円
13年の合計―約225万円182万円

ZEH水準は「年末残高×0.7%」、省エネ基準適合は残高が2,000万円を超えている間「2,000万円×0.7%=14万円」で頭打ちです。省エネ基準適合でも子育て・若者夫婦世帯(上限3,000万円)なら、この例ではZEH水準と同じ約225万円になります。どれも、その年の税金が控除額以上ある場合の数字です。

主な条件(床面積・所得・期限)

床面積の説明は、国交省と国税庁で書き方が違います

国土交通省の説明:床面積要件を新築・中古とも40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円超の人と、子育て世帯等への上乗せを使う人は50㎡以上)。

国税庁の説明(令和8年4月1日現在):床面積は50㎡以上。40㎡以上50㎡未満は特例で、合計所得金額1,000万円以下の人に限る(2026年以降の入居では上乗せ措置は使えない)。

書き方は違いますが、並べると条件の中身は同じです。40㎡台の住宅を検討している人は、国税庁・国土交通省のページや税務署で確認してください。

手続き:初年度は確定申告、2年目からは年末調整

初めて控除を受ける年は、会社員でも自分で確定申告をします。主な書類は次のとおりです。

2年目以降は、会社の年末調整で受けられます。税務署から届く「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と、年末残高等証明書を勤務先に出します。

注意:ふるさと納税との関係

住宅ローン控除とふるさと納税は併用できます。ただし、確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になるので、確定申告が必要な1年目は、ふるさと納税の寄附分も確定申告に含めて申告します。

確定申告で寄附金控除を受けると、その分所得税が減るため、住宅ローン控除を所得税から引ききれずに住民税へ回る額が増えることがあります。住民税から引ける額には上限(最高97,500円)があるので、控除額が大きい人は、寄附額を決める前にふるさと納税シミュレーターで目安を確認しておくと安心です。2年目以降に確定申告をしない会社員がワンストップ特例を使う場合は、ふるさと納税の控除は全額が翌年度の住民税から差し引かれ、所得税からは差し引かれません。

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よくある質問

Q. 残高の0.7%が「まるまる」戻るとは限らない?

そのとおりです。戻るのはその年の所得税+一部の住民税が上限です。たとえば控除額が21万円でも、その人の所得税が15万円なら所得税から戻るのは15万円まで。残りの6万円は、住民税の上限(所得税の課税総所得金額等の5%、最高97,500円)の範囲で翌年度の住民税から差し引かれます。年収が低め・扶養が多い人は、控除額を使い切れないことがあります。

Q. 2025年以前に入居した人の金額も変わる?

変わりません。控除額は入居した年のルールで計算します。2024・2025年入居の人は、上の「2024・2025年入居の場合」の表の金額・期間のままです。

Q. 共働きでペアローンだと、二人とも受けられる?

ペアローンや連帯債務で、二人がそれぞれ要件を満たせば、それぞれが自分の借入分について住宅ローン控除を受けられます。連帯債務の場合は、確定申告のときに「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」も必要です。ただし片方が育休などで所得税が少ないと、その人の分は控除を使い切れないことがあります。

Q. 繰上返済すると控除は減る?

年末残高が減るぶん、その年の控除も減ります。借入金利が0.7%より低い場合は、控除期間中は急いで繰上返済しないほうが有利になることもあります。控除期間が終わってから返す、という考え方もあります(→住宅ローンの頭金)。

Q. 中古住宅でも使える?

使えます。2026年以降の入居なら、長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準の中古は3,500万円(子育て・若者夫婦世帯は4,500万円)・13年、省エネ基準適合の中古は2,000万円(同3,000万円)・13年、それ以外の中古は2,000万円・10年です。1982年以後に建てられたもの(または耐震基準に合う証明があるもの)であることなどが条件です。

Q. 40㎡台のマンションでも使える?

床面積40㎡以上50㎡未満なら、その年の合計所得金額が1,000万円以下の年は対象です。ただし2026年以降の入居では、子育て・若者夫婦世帯の上乗せは使えず、一般の世帯の限度額になります。床面積は登記簿上の面積(マンションは専有部分)で判断します。

まとめ

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