介護休業給付金はいくらもらえる?月給別の早見表と条件
介護休業給付金は、家族の介護のために仕事を休んだとき、雇用保険から休業前の賃金の67%が支給される制度です。同じ家族について 通算93日まで・3回まで 分けて受けられます。1か月(30日)あたりの目安は、月給20万円なら 約13万4,000円、30万円なら 20万1,000円。この記事の金額は、ハローワークが公表している2026年(令和8年)8月1日からの上限・下限で計算しています。
📑 この記事でわかること
介護休業給付金とは:誰が・何日・何回
会社員などが家族の介護のために取る「介護休業」は、育児・介護休業法で決められた休みです。その休業中の収入を支えるのが、雇用保険の 介護休業給付金 です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる人 | 雇用保険の被保険者(一般被保険者と、65歳以上の高年齢被保険者) |
| もらえる額 | 休業開始時の賃金日額 × 支給日数 × 67%(上限あり) |
| 日数・回数 | 対象家族1人につき 通算93日まで・3回まで 分割できる |
| 家族の状態 | けが・病気・障害により 2週間以上にわたり常時介護が必要 な状態 |
| 申請 | 休業が終わったあと、原則として会社を通じてハローワークへ |
「2週間以上」は家族の状態のことで、休業そのものは2週間より短くてもかまいません。厚生労働省のQ&Aでも、10日間だけ休業して給付を受けることは可能と案内されています。
厚生労働省は、介護休業を「自分が介護をし続けるための休み」ではなく、仕事と介護を両立できる体制を整えるための準備期間として使うことをすすめています。地域包括支援センターやケアマネジャーへの相談、介護サービスの手配、家族での分担決めなどに充てる考え方です。介護保険で使えるサービスは 介護保険は何が使える? にまとめています。
いくらもらえる?月給別の早見表
支給額 = 休業開始時の賃金日額 × 支給日数 × 67%
賃金日額 = 休業開始前6か月の賃金の合計 ÷ 180(賞与は含まない)
ここでいう賃金は、保険料などが引かれる前の総支給額です(賞与は含みません)。毎月ほぼ同じ月給なら、賃金日額は「月給 ÷ 30」が目安です。給付は休業開始日から1か月ごとに区切って計算され、1か月の支給日数は原則30日(休業が終わる日を含む期間は、その終了日までの日数)です。
| 月給(額面) | 1か月(30日)あたり | 93日分の合計 |
|---|---|---|
| 20万円 | 約13万4,000円 | 約41万5,400円 |
| 30万円 | 20万1,000円 | 62万3,100円 |
| 40万円 | 約26万8,000円 | 約83万800円 |
| 50万円 | 約33万5,000円 | 約103万8,500円 |
| 上限(月給 約54万6,600円以上) | 36万6,222円 | 約113万5,300円 |
※休業中に会社から賃金が出ない場合の目安。賃金日額の円未満を切り捨て、100円単位に丸めています(上限の1か月36万6,222円は公表額)。実際の額は、会社が提出する「休業開始時賃金月額証明書」をもとにハローワークが決めます。
上限と下限(2026年8月1日〜2027年7月31日)
計算に使う「賃金月額」(賃金日額×30日)には上限と下限があり、毎年8月1日に見直されます。2026年(令和8年)8月1日からの額は次のとおりです。
- 上限:賃金月額 546,600円(賃金日額 18,220円)。1か月あたりの給付は 366,222円 が上限です
- 下限:賃金月額 96,090円(賃金日額 3,203円)。これを下回る場合は96,090円として計算します
介護休業給付の上限は、育児休業給付の上限とは別の額です。育休中の手当を調べる場合は 育休手当はいつ・いくらもらえる? や 育休手当シミュレーター を使ってください。
休業中に給料が出た場合と、働いた日の扱い
- 休業中の賃金と給付の合計が 賃金日額×支給日数の80% を超えると、超えた分が減額されます。賃金だけで80%以上出ている場合は支給されません
- 1か月ごとの期間に 働いた日が10日を超える と、その期間は支給の対象外です(ほかの勤め先で働いた日も含みます)
- 期間の途中で退職すると、その期間の分は受けられません
休業を始める時点で、休業後に退職する予定がある場合は対象外です。介護休業給付金は、休業が終わったら職場に戻ることを前提にした給付です。
もらえる条件:加入期間・契約社員・対象の家族
雇用保険の加入期間
介護休業を開始した日の前の 2年間に、被保険者期間が12か月以上 必要です。1か月として数えるのは、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月です(11日以上の月が12か月に足りない場合は、2020年8月1日以降に休業を始めた人なら、基礎となった時間が80時間以上の月も1か月として数えます)。この2年間に病気やけがなどで30日以上続けて賃金を受けられなかった期間がある場合は、その日数分さかのぼって数えられます(最大4年)。
雇用保険に入っているかは、給与明細で雇用保険料が引かれているかで確かめられます。毎月いくら引かれているかは 雇用保険料の計算シミュレーター で計算できます。
パート・アルバイト・契約社員(期間を定めて雇われている人)
上の加入期間に加えて、休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約(更新後のものを含む)が満了することが明らかでない ことが必要です。契約がそれより前に終わると決まっている場合は対象になりません。
なお、介護休業そのものについても、会社が労使協定を結んでいる場合は、勤続1年未満の人、申出から93日以内に雇用関係が終わることが明らかな人、週の所定労働日数が2日以下の人 は対象外にできるとされています。勤め先の就業規則もあわせて確認してください。
対象になる家族
配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です(養父母・養子を含みます)。同じ家族について、きょうだいなど複数の人が同時に介護休業を取った場合も、それぞれが要件を満たせば給付を受けられます。
家族の状態が対象に当たるかどうかや、介護休業の取り方で迷ったときは、勤め先の人事担当のほか、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。
申請の流れと期限
- 会社に休業を申し出る:休業開始予定日の2週間前までに、開始日と終了日を明らかにして書面などで申し出ます
- 休業する:給付の対象になる1回の休業は最長3か月。分けて取る場合は、その都度申し出ます
- 休業が終わったら申請:会社が「休業開始時賃金月額証明書」と「介護休業給付金支給申請書」を、事業所を管轄するハローワークに提出します(電子申請も可能)
- 振り込み:支給が決まってから約1週間で、本人の口座に振り込まれます
申請の期限は、休業終了日の翌日から数えて2か月を経過する日が属する月の末日まで です。たとえば休業終了日が7月25日なら、7月26日から9月30日までに申請します。休業が3か月以上にわたる場合は、休業開始日から3か月を経過する日の翌日から数えます。
給付は休業が終わってからの申請・支給です。休業中に給料が出ない場合でも、給付が入るのは休業が終わったあとです。休業中の生活費や社会保険料の支払いの分は、先に見通しを立てておくと安心です。
申請は原則として会社(事業主)を通じて行いますが、本人が希望する場合は本人が申請することもできます。申請に必要な主な書類は、介護休業申出書、家族の続柄などが分かる書類(住民票記載事項証明書など)、出勤簿やタイムカード、賃金台帳などです。
介護休暇・短時間勤務などとの違い
育児・介護休業法には、介護休業のほかにも仕事と介護を両立するための制度があります。雇用保険の給付金が出るのは介護休業だけ です。
| 制度 | 日数・期間 | 給付金 |
|---|---|---|
| 介護休業 | 家族1人につき通算93日・3回まで | 介護休業給付金(67%) |
| 介護休暇 | 1年に5日(家族が2人以上なら10日)。1日または時間単位 | なし(給料が出るかは勤め先の規定による) |
| 短時間勤務等の措置 | 利用開始から連続する3年以上の期間で2回以上 | なし |
| 残業の免除 | 1回につき1か月以上1年以内。回数の制限なし | なし |
- 介護休暇:通院の付き添いや、ケアマネジャーとの打ち合わせなど短い用事に使える休みです。口頭での申し出も可能で、2025年(令和7年)4月1日からは、勤続6か月未満の人を労使協定で対象外にする仕組みがなくなりました
- 短時間勤務等の措置:会社は、短時間勤務・フレックスタイム・時差出勤・介護サービス費用の助成などのうち、1つ以上の制度を設けることになっています。どれが使えるかは勤め先によって異なります
- 残業の免除:制限を始めたい日の1か月前までに書面などで請求します。事業の正常な運営を妨げる場合は、会社が断れることになっています
介護は長く続くことも多いため、まとまった準備には介護休業、日々の用事には介護休暇や短時間勤務、というように組み合わせて使う考え方もあります。どの制度が使えるかは、勤め先の人事担当に確認してください。
育児のための時短勤務には「育児時短就業給付金」という別の給付がありますが、介護のための短時間勤務には同じような雇用保険の給付はありません(→育児時短就業給付金はいくら?)。
給与から引かれている雇用保険料を確認する
雇用保険料シミュレーターで計算 →よくある質問
Q. 介護休業給付金はいくらもらえますか?
休業開始前6か月の賃金から計算した賃金日額の67%が、休んだ日数分支給されます。1か月(30日)あたりの目安は、月給20万円なら約13万4,000円、30万円なら20万1,000円です。2026年8月1日からの上限は1か月36万6,222円で、月給がおよそ54万6,600円を超えると上限で頭打ちになります。
Q. パートや契約社員でももらえますか?
雇用保険に加入していて、休業開始日前2年間に被保険者期間が12か月以上あれば対象になります。期間を定めて雇われている人は、これに加えて、休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約が満了することが明らかでないことが必要です。
Q. 何回まで分けて取れますか?
同じ家族について、通算93日まで、3回まで分けて受けられます。たとえば30日ずつ3回に分けることもできます。同じ家族の要介護状態が変わっても、93日と3回の枠がもう一度もらえることはありません。家族が別の人なら、その家族について改めて対象になります。
Q. 税金はかかりますか?
介護休業給付金は課税の対象になりません。所得税や住民税は引かれずに支給されます。ただし、休業中も健康保険や厚生年金の保険料はかかります。日本年金機構が案内している保険料の免除は、産前産後休業と育児休業等の期間が対象です。
Q. いつ振り込まれますか?申請の期限は?
申請は休業が終わってから行います。期限は、休業終了日の翌日から数えて2か月を経過する日が属する月の末日までです(休業が3か月を超える場合は、開始日から3か月を経過する日の翌日から数えます)。原則は会社を通じて申請し、支給が決まってから約1週間で本人の口座に振り込まれます。
まとめ
- もらえる額は 休業開始時の賃金日額 × 支給日数 × 67%。月給30万円なら1か月20万1,000円、93日で62万3,100円が目安
- 2026年8月1日からの上限は 1か月36万6,222円(賃金月額546,600円)、下限は賃金月額96,090円。毎年8月1日に見直し
- 同じ家族について 通算93日・3回まで。休業中に働いた日が10日を超える期間や、休業後に退職予定の場合は対象外
- 条件は休業開始前2年間に被保険者期間12か月以上。契約社員などは契約期間の要件もある
- 申請は休業後に会社を通じて。期限は休業終了日の翌日から2か月を経過する日が属する月の末日まで
- 給付金は非課税。数字は2026年(令和8年)8月1日時点の公表値。個別の判断はハローワークで確認を
出典・参考
情報更新日:2026年10月|計算の根拠・参照元について|ツールの埋め込み。本記事は一般的な説明です。金額はハローワークが公表している給付率と上限・下限(2026年(令和8年)8月1日〜2027年(令和9年)7月31日の額)にもとづく概算で、実際の支給額・支給の可否はハローワークの決定によります。個別の取り扱いは、事業所を管轄するハローワークにご確認ください。