教育訓練給付金はいくらもらえる?受講費用別の早見表と計算方法
教育訓練給付金は、国(厚生労働大臣)が指定した講座を修了すると、受講費用の一部が雇用保険から戻ってくる制度です。もらえる割合は講座の種類で決まり、20%から最大80%。受講費用10万円の一般教育訓練なら 2万円、50万円の特定一般教育訓練なら 20万円(条件を満たせば25万円)が目安です。この記事の数字は、厚生労働省とハローワークの公表内容(2026年(令和8年)9月時点)にそろえています。
📑 この記事でわかること
3種類の違い:まず「どの講座か」で給付率が決まる
教育訓練給付金の対象講座は、レベルなどに応じて 専門実践教育訓練・特定一般教育訓練・一般教育訓練 の3種類に分かれています。自分で種類を選ぶのではなく、講座ごとにどの種類かが決まっています。受講したい講座がどれに当たるかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確認できます。
| 種類 | もらえる割合(上限) | 受講前の手続き |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20%(上限10万円) | なし(修了後に申請) |
| 特定一般教育訓練 | 40%(上限20万円) 条件を満たすと50%(上限25万円) | キャリアコンサルティング+受給資格確認 |
| 専門実践教育訓練 | 50%(年間上限40万円) 条件を満たすと70%(年間上限56万円)・80%(年間上限64万円) | キャリアコンサルティング+受給資格確認 |
ここでいう「受講費用」は、本人が講座を運営する教育訓練施設に支払った教育訓練経費のことです。どの費用が対象に含まれるかは講座によって異なるため、申し込む前に講座の案内やハローワークで確認しておくと安心です。
支給されるのは 講座を修了したあと です(専門実践教育訓練だけは受講中から6か月ごとに支給されます)。受講料はいったん自分で支払い、給付はあとから受け取る形になるので、その分の資金を用意しておく必要があります。
いくらもらえる?受講費用別の早見表
支給額 = 受講費用 × 給付率(上限あり)
※計算した額が4,000円以下のときは支給されません
一般教育訓練・特定一般教育訓練(受講費用の総額)
| 受講費用 | 一般(20%) | 特定一般(40%→50%) |
|---|---|---|
| 5万円 | 1万円 | 2万円→2万5,000円 |
| 10万円 | 2万円 | 4万円→5万円 |
| 20万円 | 4万円 | 8万円→10万円 |
| 30万円 | 6万円 | 12万円→15万円 |
| 50万円 | 10万円 | 20万円→25万円 |
| 100万円 | 10万円 | 20万円→25万円 |
どちらも 受講費用50万円で上限に届きます。それより高い講座を選んでも、一般教育訓練は10万円、特定一般教育訓練は20万円(条件を満たして25万円)から増えません。反対に、一般教育訓練で受講費用が2万円以下だと、20%が4,000円以下になるため支給されません。
専門実践教育訓練(1年あたりの受講費用)
専門実践教育訓練は、上限が 1年ごと に決まっています。1年間に支払った受講費用で見ると、次のとおりです。
| 1年間の受講費用 | 受講中(50%) | 修了後の追加を含む合計(70%/80%) |
|---|---|---|
| 30万円 | 15万円 | 21万円/24万円 |
| 50万円 | 25万円 | 35万円/40万円 |
| 80万円 | 40万円 | 56万円/64万円 |
| 100万円 | 40万円 | 56万円/64万円 |
1年あたり 80万円 で、50%・70%・80%のどれも上限に届きます。給付は 最大3年間 受けられるので、年100万円の講座を3年間受けた場合の合計は次のようになります。
| 受講期間(年100万円) | 50%のみ | 70%/80%まで満たした場合 |
|---|---|---|
| 1年(総額100万円) | 40万円 | 56万円/64万円 |
| 2年(総額200万円) | 80万円 | 112万円/128万円 |
| 3年(総額300万円) | 120万円 | 168万円/192万円 |
80%の条件まで満たした場合の上限は、3年間で 192万円 です。なお、法令上最短4年の専門実践教育訓練では、4年目の分が追加で支給される場合があります(詳しくはハローワークで確認してください)。
割合が上がる条件(追加の給付)
- 特定一般50%・専門実践70%:講座が目標とする資格の取得などをして、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇われた場合。在職したまま受講して資格の取得などをした場合も対象です
- 専門実践80%:上の条件を満たしたうえで、修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がった場合
追加の給付は、2024年(令和6年)10月1日以降に受講を開始した人が対象です。それより前に受講を始めた場合、特定一般の50%への追加と、専門実践の賃金上昇による80%への追加はありません。追加分は最初の給付とは別に申請が必要で、支給されるのは すでに受け取った額との差額 です。
自分は対象?加入期間・離職後1年・前回から3年
教育訓練給付金は雇用保険の給付なので、雇用保険に加入していた期間が条件になります。在職中の人は受講開始日の時点で、次の期間が必要です。
| 状況 | 一般・特定一般 | 専門実践 |
|---|---|---|
| 初めて受ける人 | 1年以上 | 2年以上 |
| 過去に受けたことがある人 | 3年以上 | 3年以上 |
- 仕事を辞めた人:離職日の翌日から受講開始日までが 1年以内 で、上の加入期間を満たしていれば対象です。妊娠・出産・育児・病気・けがなどで受講できなかった場合は、この期間を延長できる場合があります
- 2回目以降の人:受講開始日の前日から 3年以内 に教育訓練給付金を受けていると対象外です。加入期間も、前回の受講開始日以降で3年以上が必要です
- パート・アルバイト・派遣の人:雇用保険に加入していれば対象です
雇用保険に加入しているかどうかは、給与明細で雇用保険料が引かれているかで確かめられます。毎月いくら引かれているかは 雇用保険料の計算シミュレーター で計算できます。
自分が対象になるか分からないときは、ハローワークで 支給要件照会 ができます。受講開始(予定)日の時点で受給資格があるか、希望する講座が指定を受けているかを確認できる手続きで、本人確認書類を添えて照会票を提出します(来所・郵送・電子申請など。電話での照会は受け付けていません)。
受講前にやることと申請期限
一般教育訓練は、受講前の手続きはなく、講座を修了してから申請します。一方、特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、受講を始める前の手続きが欠かせません。順番は次のとおりです。
- 講座を探す:教育訓練講座検索システムで、指定講座かどうかと種類を確認
- 訓練前キャリアコンサルティング(特定一般・専門実践):ジョブ・カードを作成し、ハローワークやキャリア形成・リスキリング支援センターで相談を受けます。予約制で、対面またはオンラインで受けられます
- 受給資格確認(特定一般・専門実践):受講開始日の2週間前までに、住所を管轄するハローワークで手続き
- 受講・修了
- 支給申請:住所を管轄するハローワークへ(e-Govの電子申請も可能)
支給申請の期限は、種類によって違います。
| 種類 | 最初の給付 | 追加の給付 |
|---|---|---|
| 一般 | 修了日の翌日から1か月以内 | なし |
| 特定一般 | 修了日の翌日から1か月以内 | 50%:資格取得日と就職日の遅い方から1か月以内 |
| 専門実践 | 受講開始日から6か月ごとの期間の末日の翌日から1か月以内(修了日がある期間は修了日の翌日から1か月以内) | 70%:資格取得日と就職日の遅い方から1か月以内 80%:同じく1年以内 |
キャリアコンサルティングは予約制です。受給資格確認の期限(受講開始日の2週間前)から逆算して、早めに予約を入れておくと安心です。講座の開講日が近い場合は、先にハローワークへ相談してください。
失業中・休職中に学ぶときの給付
教育訓練給付金は受講費用の一部を戻す制度で、学んでいる間の生活費は出ません。生活費を支える給付として、次の2つがあります。
教育訓練支援給付金(失業中に専門実践教育訓練を受ける人)
- 支給額は 雇用保険の基本手当の日額の60% 相当。令和8年度末(2027年3月末)までの暫定措置です
- 2025年(令和7年)4月1日より前に受講を始めた人は、基本手当の日額の80%相当
- 対象は、初めて専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を受講し、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たし、訓練期間中に失業状態にある人
- 基本手当を受けられない期間について支給され、2か月に1回の認定日に失業の認定を受ける必要があります
基本手当の日額そのものの目安は 失業保険はいくら・いつまでもらえる? で解説しています。暫定措置の期限より後の取り扱いは、受講を決める前にハローワークで確認してください。
基本手当(失業保険)の日額を先に確認する
失業保険シミュレーターで計算 →教育訓練休暇給付金(会社を辞めずに無給の休暇で学ぶ人)
在職中の人が、会社の制度にもとづいて 連続30日以上の無給の教育訓練休暇 を取ったときに、失業給付(基本手当)に相当する額を受け取れる制度です。
- 対象は雇用保険の一般被保険者(高年齢被保険者などは対象外)。就業規則などに休暇制度があり、事業主の承認を得て取る休暇が対象です
- 要件は、休暇開始前2年間に被保険者期間が12か月以上あり、休暇開始前に雇用保険の加入期間が5年以上あること
- 給付日数は加入期間で決まり、5年以上10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日。休暇開始日から1年以内に受けます
- 1日あたりの額は、失業給付と同じ方法で 休暇開始前6か月の賃金 から計算され、年齢によっても変わります
自分の場合の金額は、厚生労働省が公開している「教育訓練休暇給付金シミュレーター」(年齢と額面月収を入力する表計算ファイル)やパンフレットで確認してください。指定講座を受講するなら、教育訓練給付金とあわせて使えます。
受給すると、それまでの被保険者期間がリセットされます。そのため一定期間は、失業給付などの雇用保険の給付を原則として受けられなくなります(教育訓練給付金の加入期間の計算には影響しません)。休暇の後に転職を考えている人は、事業主やハローワークとよく相談してください。
ひとり親家庭向けの「自立支援教育訓練給付金」は、雇用保険ではなく自治体の制度です。対象や金額が異なるので、ひとり親が使える支援制度 もあわせて確認してください。離職後に失業保険を受けられるかどうかの条件は 失業保険の受給資格 にまとめています。
よくある質問
Q. 教育訓練給付金はいくらもらえますか?
講座の種類で決まります。一般教育訓練は受講費用の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は40%(上限20万円)、専門実践教育訓練は50%(年間上限40万円)です。条件を満たすと、特定一般は50%(上限25万円)、専門実践は70%(年間上限56万円)または80%(年間上限64万円)に上がります。受講費用10万円の一般教育訓練なら2万円です。
Q. 会社員のままでも受けられますか?
受けられます。受講開始日に雇用保険に加入していた期間が3年以上あれば対象です。初めて受ける人は、一般教育訓練と特定一般教育訓練なら1年以上、専門実践教育訓練なら2年以上で足ります。パート・アルバイトや派遣で働く人も、雇用保険に加入していれば対象です。
Q. 仕事を辞めたあとでも使えますか?
離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、加入期間の要件を満たしていれば使えます。妊娠・出産・育児・病気・けがなどで受講できなかった場合は、この期間を延長できる場合があるので、ハローワークで確認してください。
Q. 2回目も受けられますか?
受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けていると対象外です。2回目以降は、前回の受講開始日以降に雇用保険の加入期間が3年以上必要になります。
Q. 申請はいつまでにすればいいですか?
一般教育訓練と特定一般教育訓練は、修了日の翌日から1か月以内に、住所を管轄するハローワークへ申請します。専門実践教育訓練は、受講開始日から6か月ごとの期間の末日の翌日から1か月以内(修了日がある期間は修了日の翌日から1か月以内)です。特定一般と専門実践は、受講開始日の2週間前までに受給資格確認も必要です。
まとめ
- もらえる額は 受講費用 × 給付率。一般20%(上限10万円)、特定一般40%(上限20万円)、専門実践50%(年間上限40万円)
- 資格取得・就職などの条件を満たすと、特定一般は50%(上限25万円)、専門実践は70%(年間56万円)・80%(年間64万円)に。専門実践の上限は3年間で192万円
- 追加の給付は 2024年10月1日以降に受講を開始した人 が対象
- 加入期間は原則3年以上(初めてなら一般・特定一般1年以上、専門実践2年以上)。離職後は1年以内、前回の支給から3年以内は対象外
- 特定一般・専門実践は、キャリアコンサルティングと 受講開始日の2週間前まで の受給資格確認が必要
- 数字はすべて2026年(令和8年)9月時点。個別の判断はハローワークで確認を
出典・参考
情報更新日:2026年9月|計算の根拠・参照元について|ツールの埋め込み。本記事は一般的な説明です。金額は厚生労働省・ハローワークが公表している給付率と上限(2026年(令和8年)9月時点)にもとづく概算で、実際の支給額・支給の可否はハローワークの決定によります。個別の取り扱いは、住所を管轄するハローワークにご確認ください。