税優遇が手厚い退職金

退職金、税金を引いて
手取りはいくら?

退職金の額面と勤続年数を入れるだけ。退職所得控除・所得税・住民税を引いた手取りが分かります。

1退職金(額面)

2,000 万円
0円5,000万円

会社から受け取る退職一時金の額面(税引き前)を入れてください。

2勤続年数

30
1年45年

1年未満の端数は切り上げて数えます(例:30年3か月→31年)。長いほど控除が大きくなります。

退職金の手取り(目安)

0

税金は合計 約 0

退職所得控除額勤続年数で決まる非課税枠0 円
課税退職所得金額控除後 ×1/2(税金の対象)0 円
所得税(復興税込み)0 円
住民税0 円
手取り額0 円
💡 退職金は税の優遇が大きい一方、受け取り方で手取りが変わります。老後資金の計画と合わせて考えましょう。

退職金の手取りのしくみ

退職金(退職一時金)は、給与や賞与とは別に 「退職所得」 として、税金がとても軽くなるように設計されています。長年の勤労に対する報酬であることや、老後の生活資金になることに配慮した優遇です。

① 退職所得控除(大きな非課税枠)

勤続年数に応じて、次の額までは まるごと非課税 です。

・勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
・勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

たとえば勤続38年なら控除は2,060万円。退職金がこの範囲内なら税金は0円です。

② 残りはさらに半分(1/2課税)

控除を引いて残った金額も、その 半分だけ が課税の対象(課税退職所得金額)になります。ここに所得税(+復興特別所得税)と住民税10%がかかります。

勤続5年以下は注意(短期退職手当等)

勤続5年以下の場合、控除後の金額のうち 300万円を超える部分は「半分」にできません(2022年改正)。短い勤続で多額の退職金を受け取るケースでは税金が増えることがあります。

勤続年数ごとの控除額(早見表)

まず、いくらまでが非課税になるかを確認しましょう。

勤続年数退職所得控除額勤続年数退職所得控除額
5年200万円25年1,150万円
10年400万円30年1,500万円
15年600万円35年1,850万円
20年800万円38年2,060万円

20年を境に、1年あたりの増え方が40万円→70万円に上がります。ここが退職金の税金でいちばん大事なポイントです。

同じ2,000万円でも、勤続年数で税金はこれだけ違う

退職金が同じ2,000万円でも、勤続年数によって手取りは大きく変わります。

勤続年数控除額税金の合計手取り
10年400万円約203万円約1,797万円
20年800万円約139万円約1,861万円
30年1,500万円約41万円約1,959万円
35年1,850万円約11万円約1,989万円
38年2,060万円0円2,000万円

勤続10年なら約203万円の税金がかかりますが、勤続38年なら控除の範囲に収まって税金は0円。同じ金額を受け取っても、差は約203万円になります。

勤続38年なら、いくらから税金がかかる?

逆に、控除2,060万円(勤続38年)の人が退職金をいくら受け取ると税金が発生するかを見てみます。

退職金所得税住民税手取り手取り率
2,000万円0円0円2,000万円100%
2,500万円125,072円220,000円約2,465万円98.6%
3,000万円523,262円470,000円約2,901万円96.7%
4,000万円1,699,964円970,000円約3,733万円93.3%

4,000万円でも手取り率は93%。給与だと年収1,000万円で手取りが約72%まで下がることを考えると、退職金の優遇がどれだけ大きいかが分かります(→年収の手取りシミュレーター)。

⚠️ いちばん見落とされる「iDeCoとの合算」

意外な落とし穴が、iDeCoや企業型DCを一時金で受け取る場合です。これらも退職所得控除を使うため、退職金と合算して計算されます。控除の枠は共通なので、両方を同じ年に受け取ると枠を使い切ってしまい、思ったより税金がかかることがあります。

受け取る年をずらすことで枠を分けられる場合がありますが、2026年1月から「5年→10年ルール」に変わりました(iDeCoを先に受け取る場合、退職金と10年以上あけないと控除が調整されます。退職金が先の場合は19年)。退職とiDeCoの受け取りが近い方は、順番と時期を必ず確認してください(→iDeCoの受け取りにかかる税金)。

申告書を出せば確定申告は不要

「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に出していれば、適正な税額が源泉徴収され、原則 確定申告は不要 です。出していないと一律20.42%が引かれるため、確定申告で精算します。

参考:国税庁 No.1420「退職金を受け取ったとき」/No.2740「短期退職手当等」/No.2732「退職手当等に対する源泉徴収」。

本ツールは令和7年度(2025年)の税制をもとにした概算です(従業員の一般的な退職一時金を想定)。実際の税額は、同じ年の他の退職手当の有無、役員等としての勤続(特定役員退職手当等)、端数処理などで変わります。確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の一時金受け取りも退職所得控除を使うため、退職金と合算して計算される点にご注意ください。正確な金額は勤務先・税務署・税理士にご確認ください。

よくある質問

Q. 退職金にも税金はかかりますか?

かかりますが、退職所得控除という大きな控除があり、税負担はとても軽くなっています。控除額より退職金が少なければ税金は0円(全額が手取り)です。

Q. 勤続年数が長いほど得ですか?

はい。退職所得控除は勤続20年までは1年あたり40万円、20年を超えると1年あたり70万円増えます。長く勤めるほど控除が大きく、非課税になりやすくなります。

Q. 確定申告は必要ですか?

「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していれば、適正な額が源泉徴収され、原則として確定申告は不要です。提出しない場合は一律20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算します。

Q. 勤続5年以下だと税金が高くなることがある?

勤続5年以下の場合、退職所得控除を引いた後の金額のうち300万円を超える部分は1/2にできない特例(短期退職手当等)があり、その分だけ税金が増えることがあります。

Q. iDeCoの一時金も退職金と合算されますか?

されます。iDeCoや企業型DCを一時金で受け取る場合も退職所得控除を使うため、控除の枠は退職金と共通です。同じ年に両方受け取ると枠を使い切り、想定より税金がかかることがあります。2026年1月からは、iDeCoを先に受け取る場合に退職金と10年以上あけないと控除が調整される「10年ルール」に変わりました(退職金が先の場合は19年)。受け取る順番と時期は事前に確認してください。

Q. 退職金2,000万円だと手取りはいくらですか?

勤続年数で大きく変わります。勤続38年なら控除2,060万円の範囲に収まるため税金は0円で手取りは2,000万円。一方、勤続10年だと控除は400万円しかないため税金は約203万円かかり、手取りは約1,797万円になります。

情報更新日:2026年6月|計算の根拠・参照元について