退職金の額面と勤続年数を入れるだけ。退職所得控除・所得税・住民税を引いた手取りが分かります。
会社から受け取る退職一時金の額面(税引き前)を入れてください。
1年未満の端数は切り上げて数えます(例:30年3か月→31年)。長いほど控除が大きくなります。
退職金の手取り(目安)
税金は合計 約 0 円
退職金(退職一時金)は、給与や賞与とは別に 「退職所得」 として、税金がとても軽くなるように設計されています。長年の勤労に対する報酬であることや、老後の生活資金になることに配慮した優遇です。
勤続年数に応じて、次の額までは まるごと非課税 です。
・勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
・勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
たとえば勤続38年なら控除は2,060万円。退職金がこの範囲内なら税金は0円です。
控除を引いて残った金額も、その 半分だけ が課税の対象(課税退職所得金額)になります。ここに所得税(+復興特別所得税)と住民税10%がかかります。
勤続5年以下の場合、控除後の金額のうち 300万円を超える部分は「半分」にできません(2022年改正)。短い勤続で多額の退職金を受け取るケースでは税金が増えることがあります。
まず、いくらまでが非課税になるかを確認しましょう。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 200万円 | 25年 | 1,150万円 |
| 10年 | 400万円 | 30年 | 1,500万円 |
| 15年 | 600万円 | 35年 | 1,850万円 |
| 20年 | 800万円 | 38年 | 2,060万円 |
20年を境に、1年あたりの増え方が40万円→70万円に上がります。ここが退職金の税金でいちばん大事なポイントです。
退職金が同じ2,000万円でも、勤続年数によって手取りは大きく変わります。
| 勤続年数 | 控除額 | 税金の合計 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 10年 | 400万円 | 約203万円 | 約1,797万円 |
| 20年 | 800万円 | 約139万円 | 約1,861万円 |
| 30年 | 1,500万円 | 約41万円 | 約1,959万円 |
| 35年 | 1,850万円 | 約11万円 | 約1,989万円 |
| 38年 | 2,060万円 | 0円 | 2,000万円 |
勤続10年なら約203万円の税金がかかりますが、勤続38年なら控除の範囲に収まって税金は0円。同じ金額を受け取っても、差は約203万円になります。
逆に、控除2,060万円(勤続38年)の人が退職金をいくら受け取ると税金が発生するかを見てみます。
| 退職金 | 所得税 | 住民税 | 手取り | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 0円 | 0円 | 2,000万円 | 100% |
| 2,500万円 | 125,072円 | 220,000円 | 約2,465万円 | 98.6% |
| 3,000万円 | 523,262円 | 470,000円 | 約2,901万円 | 96.7% |
| 4,000万円 | 1,699,964円 | 970,000円 | 約3,733万円 | 93.3% |
4,000万円でも手取り率は93%。給与だと年収1,000万円で手取りが約72%まで下がることを考えると、退職金の優遇がどれだけ大きいかが分かります(→年収の手取りシミュレーター)。
意外な落とし穴が、iDeCoや企業型DCを一時金で受け取る場合です。これらも退職所得控除を使うため、退職金と合算して計算されます。控除の枠は共通なので、両方を同じ年に受け取ると枠を使い切ってしまい、思ったより税金がかかることがあります。
受け取る年をずらすことで枠を分けられる場合がありますが、2026年1月から「5年→10年ルール」に変わりました(iDeCoを先に受け取る場合、退職金と10年以上あけないと控除が調整されます。退職金が先の場合は19年)。退職とiDeCoの受け取りが近い方は、順番と時期を必ず確認してください(→iDeCoの受け取りにかかる税金)。
「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に出していれば、適正な税額が源泉徴収され、原則 確定申告は不要 です。出していないと一律20.42%が引かれるため、確定申告で精算します。
参考:国税庁 No.1420「退職金を受け取ったとき」/No.2740「短期退職手当等」/No.2732「退職手当等に対する源泉徴収」。
かかりますが、退職所得控除という大きな控除があり、税負担はとても軽くなっています。控除額より退職金が少なければ税金は0円(全額が手取り)です。
はい。退職所得控除は勤続20年までは1年あたり40万円、20年を超えると1年あたり70万円増えます。長く勤めるほど控除が大きく、非課税になりやすくなります。
「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していれば、適正な額が源泉徴収され、原則として確定申告は不要です。提出しない場合は一律20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算します。
勤続5年以下の場合、退職所得控除を引いた後の金額のうち300万円を超える部分は1/2にできない特例(短期退職手当等)があり、その分だけ税金が増えることがあります。
されます。iDeCoや企業型DCを一時金で受け取る場合も退職所得控除を使うため、控除の枠は退職金と共通です。同じ年に両方受け取ると枠を使い切り、想定より税金がかかることがあります。2026年1月からは、iDeCoを先に受け取る場合に退職金と10年以上あけないと控除が調整される「10年ルール」に変わりました(退職金が先の場合は19年)。受け取る順番と時期は事前に確認してください。
勤続年数で大きく変わります。勤続38年なら控除2,060万円の範囲に収まるため税金は0円で手取りは2,000万円。一方、勤続10年だと控除は400万円しかないため税金は約203万円かかり、手取りは約1,797万円になります。
情報更新日:2026年6月|計算の根拠・参照元について