新NISAの成長投資枠とは?年240万円の使い道と「1,200万円の壁」

更新:2026年7月 ・ 読了目安 約5分

新NISAにはつみたて投資枠(年120万円)成長投資枠(年240万円)の2つがあります。名前から「成長投資枠=個別株でガンガン攻める枠」と思われがちですが、実際は同じ投資信託も買える、いわば“枠を広げるための枠”です。この記事では、買えない商品、1,200万円までという制限、そして枠を早く埋めた人ほど有利になる理由を実際の試算で見ていきます。

📑 この記事でわかること
  1. つみたて投資枠との違いは3つだけ
  2. 意外と知られていない「成長投資枠で買えないもの」
  3. 「1,200万円の壁」の意味
  4. では、成長投資枠は何のためにある?
  5. わが家の使い方:成長投資枠でも同じ投資信託を買う
  6. よくある質問
  7. まとめ
生涯で使える枠は1,800万円。ただし内訳にルールがある パターンA:つみたて投資枠だけで埋める つみたて投資枠 1,800万円(全部OK) パターンB:成長投資枠をめいっぱい使う 成長投資枠 1,200万円(ここが上限) つみたて 600万 成長投資枠は 1,200万円まで。残り600万円は必ずつみたて投資枠で使います。 逆に、つみたて投資枠だけなら 1,800万円すべて 使えます。 ※年間の上限は つみたて120万+成長240万=合計360万円。売却すると翌年に枠が戻ります。

つみたて投資枠との違いは3つだけ

つみたて投資枠成長投資枠
年間の上限120万円240万円
生涯の上限1,800万円まで使える1,200万円まで
買える商品金融庁の基準を満たす投資信託など上場株式・ETF・投資信託など幅広い
買い方積立のみ積立でも一括でもOK

2つの枠は併用できます。合わせて年間360万円まで。非課税の期間は無期限で、売却するとその分の枠が翌年に復活します。

意外と知られていない「成長投資枠で買えないもの」

「幅広い」とはいえ、何でも買えるわけではありません。長期の資産形成という制度の趣旨に合わない商品は、はっきり除外されています。

ここは国が「長期の資産形成に向かない」と判断したものが除かれていると考えると腑に落ちます。とくに毎月分配型は、分配金を出すために元本を取り崩すタイプがあり、複利が効きにくいという問題があります。

「1,200万円の壁」の意味

生涯で使える1,800万円のうち、成長投資枠で使えるのは1,200万円まで。残りの600万円は必ずつみたて投資枠で埋める必要があります。

逆に言えば、つみたて投資枠だけなら1,800万円すべて使えます。ここは意外と誤解されていて、「成長投資枠を使わないと枠を full に使えない」わけではありません。投資信託を積み立てるだけの人は、成長投資枠を一度も使わなくても問題ないということです。

では、成長投資枠は何のためにある?

個別株を買うためだけの枠ではありません。いちばんの価値は「年間の上限が広がること」だと考えています。

つみたて投資枠だけだと年120万円が上限なので、1,800万円を埋めるのに15年かかります。成長投資枠を併用すれば年360万円まで入れられるので、最短5年で埋められます。この差が、時間が経つほど効いてきます。

枠を埋めるスピードで、20年後はどれだけ違う?

同じ元本1,800万円を、埋めるスピードだけ変えて比べてみます(年利5%・20年後の評価額。当サイトの積立シミュレーターの計算をそのまま使っています)。

入れ方元本20年後の評価額運用益
月10万円 × 15年(つみたて枠だけ)1,800万円約3,430万円約1,630万円
月15万円 × 10年1,800万円約3,836万円約2,036万円
月30万円 × 5年(年360万フル)1,800万円約4,312万円約2,512万円

出したお金は同じ1,800万円なのに、20年後の差は約880万円。早く入れたお金ほど、非課税で運用される時間が長くなるからです。これが成長投資枠の本当の使いどころだと思います。

⚠️ ただし「早く埋めたほうが得だから無理をする」のは本末転倒です。上の試算は右肩上がりを前提にした計算にすぎず、実際には下がる年もあります。まとまった金額を一度に入れた直後に大きく下落すれば、回復まで長く待つことになります。生活防衛資金を削ってまで埋めにいかないこと。使う予定のない余裕資金の範囲で、が大原則です。

わが家の使い方:成長投資枠でも同じ投資信託を買う

わが家は個別株を買っていません。成長投資枠でもつみたて投資枠と同じインデックスの投資信託を買っています。理由は3つです。

「成長投資枠なんだから成長株を買わないと損」ということはありません。名前に引っ張られず、自分が続けられる方法を選ぶのがいちばんだと思っています(→わが家のお金の基本方針)。

毎月いくら積み立てると、いくらになる?

積立シミュレーターで計算 →

よくある質問

Q. つみたて投資枠と成長投資枠、どちらから使うべき?

毎月の積立が年120万円(月10万円)に収まるなら、つみたて投資枠だけで十分です。それを超える余裕資金があるとき、はみ出した分を成長投資枠に入れる、という順番が分かりやすいと思います。

Q. 成長投資枠でも積立設定はできますか?

できます。多くの金融機関で、成長投資枠でも毎月の積立を設定できます。「成長投資枠=一括投資」ではありません。

Q. 売ったら枠はいつ戻りますか?

翌年に復活します。戻るのは売った時の金額ではなく買ったときの金額(簿価)です。たとえば100万円で買ったものが150万円になって売れた場合、翌年戻るのは100万円分の枠です。

Q. 年間240万円を使い切れないと損ですか?

損ではありません。使わなかった年間の枠は翌年に繰り越せませんが、生涯の1,800万円という枠は減りません。自分のペースで問題ありません。

Q. iDeCoとどちらを優先すべき?

引き出しやすさを重視するならNISAが先です。iDeCoは掛金が所得控除になる強みがある一方、原則60歳まで引き出せません(→NISAとiDeCoどっちが得?)。

まとめ

ほかの関連:NISAの出口戦略NISAとiDeCoどっちが得?コラム一覧へ

情報更新日:2026年7月|このサイトについて・免責。制度の内容は金融庁NISA特設サイト等をもとにした2026年7月時点の情報です。試算は年利5%が続くと仮定した概算で、将来の運用成果を約束するものではありません。実際の値動きにより元本を下回ることがあります。当サイトは特定の金融商品を勧めるものではなく、投資の判断はご自身の責任でお願いします。