変動金利が上がったら返済はいくら増える?
日銀の政策金利は 2026年6月に1.0%程度へ引き上げられ、1995年以来およそ31年ぶりの水準になりました。変動金利で住宅ローンを借りている人にとっては「うちの返済、いくら増えるの?」が気になるところ。この記事では、金利が上がると毎月いくら増えるのかを実際に計算し、あわてなくていい理由(5年ルール・125%ルール)と、その 落とし穴、そして今できることを整理しました。
📑 この記事でわかること
いま何が起きている?
住宅ローンの変動金利は、多くの銀行で 短期プライムレート という基準に連動していて、その大もとが日銀の政策金利です。政策金利が上がると、時間差をおいて変動金利にも波及します。
- 2026年6月…日銀が政策金利を0.75%→1.0%程度に引き上げ(約31年ぶりの水準)。
- 変動金利の引き上げは 2026年10月ごろ に多くの銀行で実施される見込み。
- すでに借りている人の 返済額に反映されるのは2027年1月以降 が一般的(後述の5年ルールのため)。
先の見通しは金融政策や景気で変わります。ここに書いた時期・幅はあくまで2026年7月時点の一般的な見方で、確定した予定ではありません。ご自身の借入条件は、必ず借入先の銀行の通知でご確認ください。
金利が上がると返済はいくら増える?
借入3,000万円・35年・元利均等(ボーナス返済なし)で、金利だけを変えて計算しました。
| 金利 | 毎月の返済額 | 0.5%からの増加 | 総返済額 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 77,875円 | (基準) | 3,270万円 |
| 0.75% | 81,235円 | +3,360円 | 3,411万円 |
| 1.0% | 84,685円 | +6,810円 | 3,556万円 |
| 1.25% | 88,225円 | +10,350円 | 3,705万円 |
| 1.5% | 91,855円 | +13,980円 | 3,857万円 |
金利が 0.5%上がると毎月およそ6,800円、総返済額では約286万円 の増加です。借入4,000万円なら、同じ0.5%の上昇で毎月 約9,080円 増えます。「たった0.5%」でも、35年で積み上がると小さくありません。
でも、すぐには増えない:5年ルールと125%ルール
多くの銀行の変動金利(元利均等返済)には、返済者を急な変化から守るしくみがあります。
- 5年ルール…金利が上がっても、5年間は毎月の返済額が変わらない(見直しは5年ごと)。
- 125%ルール…見直しのときも、新しい返済額は それまでの125%まで。いきなり1.5倍にはならない。
だから、金利が上がったニュースを見ても、多くの人はすぐに引き落とし額が増えるわけではありません。ここは安心してよいポイントです。
⚠️ ただし、ここが落とし穴
5年ルールは「返済額が変わらない」だけで、「払う利息が減る」わけではありません。返済額が同じでも、その中身は 利息の割合が増え、元本が減りにくくなります。金利が大きく上がると、返済額では利息すら払いきれない「未払利息」が発生し、最後にまとめて残ることもあります。先送りであって、免除ではないと覚えておきましょう。
5年ルール・125%ルールは すべての銀行にあるわけではありません(一部のネット銀行などでは採用しておらず、金利上昇がすぐ返済額に反映される場合があります)。自分のローンがどちらかは、契約書や銀行のサイトで確認しておくと安心です。
いま変動で借りている人は、どうする?
- あわてて固定に乗り換えない…固定金利は変動より先に上がっています。今から固定に換えると、返済額がむしろ大きく増えることも。「不安だから」だけで動くのは損になりがちです。
- 家計の余力を確かめる…金利が1%上がっても払えるか、を先に試算しておく。返済が手取りの25%を超えそうなら要注意です。
- 繰上返済で元本を減らす…元本が減れば、金利上昇の影響そのものが小さくなります。手元の生活防衛資金は残したうえで。
- 借り換えは「金利差・残高・残期間」で判断…諸費用を含めて得かどうかは計算しないと分かりません。
これから借りる人は
変動金利の低さだけを見て、借りられる上限まで借りるのは危険です。「今の金利+1%」でも無理なく返せる額にとどめておくと、金利が動いても慌てずにすみます。金利タイプの選び方は「固定と変動どっち?」も参考にしてください。
まとめ
- 2026年6月に政策金利1.0%程度へ。変動金利にも時間差で波及する見込み。
- 金利0.5%上昇=3,000万円35年で 毎月約6,800円・総額約286万円 の増加。
- 5年ルール・125%ルールで急には増えない。ただし 先送りであって免除ではない(未払利息に注意)。
- あわてて固定へ乗り換えず、余力の確認・繰上返済・借り換えの試算を。
情報更新日:2026年7月|このサイトについて・免責。金利の水準・引き上げ時期の見通しは2026年7月時点の一般的な情報で、今後の金融政策や経済情勢により変わります。試算は元利均等返済・ボーナス返済なし・保証料や団信を含まない概算です。ご自身のローンの条件・ルールの有無は、必ず借入先の金融機関にご確認ください。