暖房の電気代を下げる使い方|エアコン・こたつ・電気カーペットの比べ方
暖房の電気代は、「消費電力(W)÷1,000×使った時間×1kWhあたりの単価」で比べられます。単価は、家電のカタログでも使われる目安の31円/kWhで計算できます。資源エネルギー庁の試算では、エアコン(2.5kW)の暖房の設定温度を1℃下げると年間約490円、1日1時間短くすると約1,110円、フィルターを掃除すると約1,170円の節約です。エアコン・こたつ・電気カーペットの電気代の比べ方と、使い方で変わる電気代の目安を、資源エネルギー庁の公表値で確かめてまとめました。
📑 この記事でわかること
結論:比べ方と下げ方
- 比べ方:暖房器具の電気代は「消費電力×使った時間×単価」で決まります。同じ時間・同じ単価で計算すると、器具どうしを比べやすくなります。
- 暖まる範囲が違う:エアコンは部屋全体を暖め、こたつは主に腰から下を温めます。電気代の差だけでなく、使う人数や部屋の広さもあわせて考えます。
- エアコン:設定温度を1℃下げる・使う時間を短くする・フィルターを掃除する、の3つで、2.5kWの機種なら1つあたり年間約490〜1,170円の節約(資源エネルギー庁の試算)。
- こたつ・電気カーペット:温度調節を「強」から「中」にすると、こたつで年間約1,520円、3畳用の電気カーペットで約5,770円の節約(同)。
- どれも使い方・住まい・機種で効果が変わる目安です。
電気代は消費電力×時間×単価
家電1台の電気代は、次の式で出せます。暖房器具でも同じです。
電気代(円)= 消費電力(W)÷ 1,000 × 使った時間(時間)× 単価(円/kWh)
単価の31円/kWh(税込)は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が定める目安単価で、2022年7月22日に改定された値です。資源エネルギー庁の省エネの試算も、この31円で金額に換算しています。
1日5時間使ったときの目安
暖房器具の種類ではなく、消費電力(W)ごとの計算例です。特定の家電の消費電力を表すものではありません。冬の間の欄は、資源エネルギー庁の試算で使われている暖房期間(10月28日〜4月14日の169日)で計算しました。
| 消費電力 | 1か月(30日) | 冬の間(169日) |
|---|---|---|
| 100W | 465円 | 約2,620円 |
| 300W | 1,395円 | 約7,859円 |
| 500W | 2,325円 | 約13,098円 |
| 1,000W | 4,650円 | 26,195円 |
たとえば500Wなら、1日に使う電気は0.5kW×5時間=2.5kWhで、1か月(30日)では75kWh、電気代は75×31=2,325円です。消費電力が2倍になれば電気代も2倍、使う時間が半分になれば電気代も半分になります。
手元の暖房器具の電気代を計算する
消費電力(W)と1日の使用時間、使う日数を入れると、1時間・1日・1か月・1年の電気代の目安が分かります。単価も入れ替えられます。
電気代シミュレーターで計算する →消費電力の数字の見方
ラベルや取扱説明書で確かめる
消費電力は、本体のラベルや取扱説明書の仕様に「消費電力 ◯W」と書かれています。kWで書かれていれば×1,000でWになります。同じ種類の暖房器具でも、機種や大きさで消費電力は大きく違うので、手元の機種の数字で計算してください。
温度の強弱で使う電気が変わる
こたつや電気カーペットは、温度調節の「強」「中」などで使う電気の量が変わります(下のこたつ・電気カーペットの表を参照)。表示の消費電力のまま使い続けるとは限らないので、計算した金額は目安として見てください。
エアコンは「暖房能力」と「APF」も見る
エアコンは、熱を運ぶポンプのような「ヒートポンプ」という仕組みで、暖房のときは室外の空気の熱を室内へ移して暖めます。部屋の温度や外の気温によって使う電気の量が変わるため、ラベルの数字だけでは1年の電気代をつかみにくい家電です。
資源エネルギー庁によると、カタログの暖房能力(kW)は外気温7℃・室内温度20℃のときに室内へ送れる熱の量で、寒冷地では低温時(2℃)の暖房能力も参考にするとよいとされています。またAPF(通年エネルギー消費効率)は、1年間に必要な冷暖房の能力を、1年間にエアコンが使う電力量(期間消費電力量)で割った数字で、大きいほど省エネです。買い替えのときは、部屋の広さや建物の造りに合う大きさを選び、APFや期間消費電力量を見比べると判断しやすくなります。
暖まる範囲の違い
資源エネルギー庁は、こたつは主に腰から下を温める暖房機器で上半身は寒くなりがちなので、1枚多めに着ることや、エアコンなど他の暖房と一緒に使うときは控えめな温度設定にすることをすすめています。電気代が安く見える器具でも、部屋が寒くて別の暖房を足せば、その分の電気代やガス代がかかります。家族がそろう部屋はエアコン、一人で過ごす時間はこたつのように、使う場面で分けて考えると比べやすくなります。
エアコンの電気代を下げる使い方
資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」の暖房の試算です。年間の電気の削減量と、31円/kWhで換算した節約額の目安です。
| 使い方 | 2.5kWの機種 | 4.0kWの機種 |
|---|---|---|
| 暖房の設定温度を1℃下げる | 15.80kWh 約490円 | 45.20kWh 約1,400円 |
| 暖房を1日1時間短くする | 35.68kWh 約1,110円 | 57.83kWh 約1,790円 |
| フィルターを月に1〜2回掃除する | 37.90kWh 約1,170円 | 40.30kWh 約1,250円 |
設定温度と使用時間の試算は、東京をモデルとした木造南向きの住宅を想定(JIS C 9612:2013)。フィルターは、目詰まりで風量が20%下がったエアコンと、清掃したエアコンの比較です。2.5kW・4.0kWは機種の能力の区分で、試算の条件どおりに使った場合の値です。
- 能力の大きい機種ほど差が大きい:設定温度を1℃下げたときの節約は、2.5kWの約490円に対して4.0kWは約1,400円でした。広い部屋で大きな機種を使っている家ほど、使い方で変わる金額も大きくなります。
- 3つの目安を単純に足すと、2.5kWの機種で年間89.38kWh・約2,770円です。ただし組み合わせると効果が重なる部分もあり、足し算どおりになるとは限りません。
暖房の効きをよくする工夫
同じページでは、暖房時の工夫として次のことが挙げられています。
- ドアや窓の開け閉めを少なくする
- 厚手のカーテンを使う(床まで届く長いカーテンの方が効果的)
- 扇風機を一緒に使い、暖まった空気を部屋に回す
- 室外機の吹き出し口のまわりに物を置かない
- 換気は適宜行う
なお資源エネルギー庁は、ガス・石油ファンヒーターの項目で、暖房時の室温は20℃を目安にとしています。エアコンの設定温度と実際の室温は同じとは限らないので、寒さを我慢するのではなく、室温計を見ながら調整すると無理がありません。
こたつ・電気カーペットの使い方
こたつと電気カーペットも、使い方で電気の量が変わります。資源エネルギー庁の試算(どれも1日5時間使用)です。
| 使い方 | 年間の削減量 | 節約額の目安 |
|---|---|---|
| こたつの温度調節を「強」から「中」にする | 48.95kWh | 約1,520円 |
| こたつ布団に上掛けと敷布団をあわせて使う | 32.48kWh | 約1,010円 |
| 電気カーペット(3畳用)を「強」から「中」にする | 185.97kWh | 約5,770円 |
| 電気カーペットを広さに合った大きさにする(3畳用→2畳用) | 89.91kWh | 約2,790円 |
こたつの上掛け・敷布団は、こたつ布団だけの場合との比較。電気カーペットの大きさは、室温20℃・設定温度「中」で1日5時間使った場合の比較です。
- 電気カーペットは温度の差が大きい:「強」から「中」にするだけで、年間185.97kWh・約5,770円と、この表ではいちばん大きな差でした。
- 電気カーペットの下に断熱マットなどを敷くと、熱が床に逃げにくくなります。分けて温める機能があれば、人のいない部分は温めないようにします。
- こたつは布団で熱を逃がさない:上掛けと敷布団をあわせて使うと、こたつ布団だけより電気が少なく済みます。
電気毛布は手元の数字で計算する
電気毛布は、資源エネルギー庁の「無理のない省エネ節約」に試算がありません。本体のラベルや取扱説明書の消費電力と、使う時間で計算してください。電気毛布も温度の強弱で使う電気の量が変わるので、計算した金額は目安です。
使い方の次は契約を確かめる
ここまでの節約額は、すべて1kWhあたり31円で換算した値です。実際の電気料金は、契約している会社・料金プラン・使用量で変わり、基本料金・燃料費調整額・再エネ賦課金なども加わります。国の料金支援がある月は、請求額が値引き後の金額になります。
- 冬は電気代が上がりやすい時期です。冬の1か月分を1年の平均と比べると高く見えるので、平均と比べるときは同じ月どうしで見ます(光熱費の平均(人数別・月別)を参照)。
- 検針票やWeb明細の使用量(kWh)が分かれば、料金プランを比べるときの土台になります。プランを比べるときは、冬だけでなく1年トータルの金額で見るのが確実です。
- 電気・ガス以外も含めた固定費の見直しの順番は固定費の見直し方にまとめています。
よくある質問
Q. エアコンとこたつは、どちらの電気代が安いですか?
電気代は「消費電力(W)÷1,000×使った時間×1kWhあたりの単価」で決まるので、手元の機種の消費電力と使う時間で比べます。ただし、エアコンは部屋全体を暖め、こたつは主に腰から下を温める暖房機器なので、暖まる範囲が違います。電気代だけでなく、何人で・どの部屋で・どれくらいの時間使うかもあわせて考えると選びやすくなります。
Q. エアコンの暖房の設定温度を1℃下げると、電気代はいくら下がりますか?
資源エネルギー庁の試算では、暖房期間中にエアコンの設定温度を1℃下げると、2.5kWの機種で年間15.80kWh(約490円)、4.0kWの機種で年間45.20kWh(約1,400円)の節約です。東京をモデルにした木造南向きの住宅を想定し、1kWhあたり31円で換算した目安です。
Q. 電気毛布の電気代はどうやって計算しますか?
本体のラベルや取扱説明書にある消費電力(W)を使い、「消費電力÷1,000×使った時間×単価」で計算します。温度の強弱で使う電気の量が変わるため、表示の消費電力のまま使い続けるとは限りません。当サイトの電気代シミュレーターに消費電力と使う時間を入れると、1日・1か月・1年の目安が分かります。
Q. 電気代の計算に使う「31円/kWh」とは何ですか?
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が定める電力料金の目安単価で、2022年7月22日に改定された31円/kWh(税込)が現在の値です。家電のカタログの電気代や、資源エネルギー庁の省エネの試算もこの単価で計算されています。実際の単価は契約している会社やプランで変わります。
Q. フィルター掃除で電気代は変わりますか?
資源エネルギー庁の試算では、フィルターが目詰まりしたエアコンと、清掃したエアコンを比べると、2.5kWの機種で年間37.90kWh(約1,170円)、4.0kWの機種で年間40.30kWh(約1,250円)の差があります。目詰まりで風量が20%下がると想定した値で、月に1回か2回の清掃がすすめられています。
まとめ
- 暖房の電気代は「消費電力÷1,000×時間×単価」。単価は目安の31円/kWh(家電公取協)で計算できる
- 消費電力は手元の機種のラベルで確かめる。温度の強弱で使う電気は変わるので、金額は目安
- エアコン(2.5kW)は、設定温度を1℃下げて約490円・1日1時間短くして約1,110円・フィルター掃除で約1,170円(年間・資源エネルギー庁の試算)
- こたつは「強」→「中」で約1,520円、電気カーペット(3畳用)は約5,770円(同)
- 器具どうしは暖まる範囲が違う。使う場面で分けて考え、使い方の次は契約内容も確かめる
出典・参考
- 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約(空調)」(エアコン・ガス/石油ファンヒーター・電気カーペット・電気こたつの試算。2026年10月31日確認)
- 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約」(算出根拠:電気31円/kWh・暖房期間169日)
- 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「機器の買換で省エネ節約」(エアコンの暖房能力の条件・APF)
- 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問」Q7(電力料金の目安単価31円/kWh・2022年7月22日改定)
- 資源エネルギー庁「料金の仕組みと料金メニュー例のご紹介」(基本料金・電力量料金・再エネ賦課金)
情報更新日:2026年10月31日|計算の根拠・参照元について|ツールの埋め込み。本記事は一般的な説明です。省エネの効果と節約額は、資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約」の試算(電気31円/kWhで換算)を2026年10月31日に確認したもので、使用する機器・地域・住宅・使い方によって異なります。実際の電気料金は、契約している電力会社の明細でご確認ください。