相続税はいくらから?基礎控除と早見表でわかる「かかる・かからない」

更新:2026年7月 ・ 読了目安 約4分

「相続税ってうちもかかるの?」——多くの家庭は かかりません。相続税は遺産が 基礎控除 を超えたときだけ、超えた部分にかかる税金だからです。いくらから課税されるのか、目安と計算の流れを整理します。

📑 この記事でわかること
  1. かかるかどうかは「基礎控除」で決まる
  2. 実際にいくらかかる?(相続人3人・配偶者+子2人の例)
  3. 「遺産」に含まれるもの・含まれないもの
  4. 相続税の計算の流れ
  5. 配偶者は大きく軽減される
  6. 忘れずに:申告期限は「10か月」
  7. よくある質問
  8. まとめ
課税されるのは「基礎控除を超えた分」だけ 例:遺産6,000万円/相続人3人(配偶者+子2人)の場合 基礎控除 4,800万円(非課税) 1,200万 に課税 ▲ここが基礎控除ライン 基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

かかるかどうかは「基礎控除」で決まる

相続税の基礎控除は 「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」。遺産の総額がこの額以下なら相続税はかからず、申告も原則不要です。

法定相続人別の早見表

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円

たとえば「配偶者+子2人」なら相続人は3人で、基礎控除は4,800万円。遺産がこれ以下なら相続税はかかりません。

実際、相続税を払っている人は亡くなった人の1割前後にとどまります。ほとんどの家庭は基礎控除の範囲内なので、まずは「うちの遺産は基礎控除を超えそうか?」だけ確認すれば十分です。

実際にいくらかかる?(相続人3人・配偶者+子2人の例)

遺産総額ごとの相続税の総額の目安です。これは「配偶者の税額軽減」を使う前の金額で、実際は配偶者が相続する分は大きく軽減されます(後述)。

遺産総額課税遺産(基礎控除4,800万を引いた額)相続税の総額の目安
4,000万円0円0円(かからない)
6,000万円1,200万円約120万円
8,000万円3,200万円約350万円
1億円5,200万円約630万円

配偶者の税額軽減を適用すると、上の「総額」のうち配偶者が負担する分はほぼ0になり、実際に納める額はさらに小さくなります。正確な試算は相続税シミュレーターでどうぞ。

「遺産」に含まれるもの・含まれないもの

相続税の対象になる財産は、預貯金や現金だけではありません。自宅や土地などの不動産も時価で加えるため、都市部に持ち家がある家庭は、預貯金が少なくても基礎控除を超えることがあります。

含まれるもの差し引けるもの(債務控除など)
現金・預貯金/不動産(自宅・土地)/株式・投資信託/生命保険金・死亡退職金(※非課税枠あり)借入金・未払いの税金/葬式費用

生命保険金と死亡退職金には「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠があります。相続人3人なら1,500万円まで非課税。生命保険は相続対策として使われる理由のひとつです。

相続税の計算の流れ

  1. 遺産総額から基礎控除を引いて 課税遺産総額 を出す
  2. 課税遺産総額を 法定相続分 で分ける
  3. 各人の取得額に税率(10〜55%)をかけて合計=相続税の総額

うちの相続税はいくら?

相続税の概算シミュレーターで計算 →

配偶者は大きく軽減される

配偶者が受け取る遺産は「配偶者の税額軽減」で、法定相続分または1億6,000万円までは非課税。多くのケースで配偶者の相続税は0円になります。

ただし注意点もあります。配偶者にすべて相続させると目先の税金は減りますが、その配偶者が亡くなる「二次相続」では、配偶者軽減も使えず相続人も減るため、税負担が重くなりがちです。一次相続と二次相続の合計で考えるのがコツです。

忘れずに:申告期限は「10か月」

相続税がかかる場合、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に申告・納付が必要です。配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例は、申告して初めて使えるものなので、「特例で0円になるから申告不要」ではない点に注意してください。

よくある質問

Q. 親が元気なうちにできる相続対策は?

代表的なのは、①生前贈与(年110万円までの暦年贈与など)で少しずつ渡す、②生命保険の非課税枠(500万円×相続人数)を活用する、③自宅の小規模宅地の特例を使えるようにしておく、の3つです。まずは「遺産が基礎控除を超えそうか」を把握するところから(→贈与税の基礎)。

Q. 兄弟や親が相続人の場合は?

相続人は「配偶者+子」が基本ですが、子がいなければ親、親もいなければ兄弟姉妹が相続人になります。人数で基礎控除が変わるので、誰が相続人になるかで課税ラインも変わります。

Q. 相続税がかからなくても手続きは要る?

相続税の申告は不要でも、預貯金の名義変更・不動産の相続登記などの手続きは必要です。とくに不動産の相続登記は2024年から義務化されています(正当な理由なく放置すると過料の対象)。

まとめ

ほかの関連:老後資金シミュレーターコラム一覧へ

情報更新日:2026年7月|計算の根拠・参照元について。本記事は一般的な説明です。参照:国税庁 No.4152「相続税の計算」/No.4158「配偶者の税額軽減」。金額・要件は最新の公式情報や、お住まいの自治体・勤務先・税務署でご確認ください。